埼玉県秩父郡市六ヶ市町村にまたがる秩父三十四ヶ所観音霊場は、西国三十三ヶ所、坂東三十三ヶ所とともに、百観音霊場に数えられます。
開創年代には、諸説がありますが、三十二番札所の般若山法性寺に現存する、「「武州秩父郡御札所之縁起」」等により、一般的には、分暦元年(1234年)甲午三月十八日開創という縁起伝説が定着し、室町時代後期頃までには、文暦開創伝説は、語り始められていたと思われます。のちの江戸時代に、庶民の間に観音信仰が広まり、秩父観音霊場も隆盛をみるようになります。
当初、秩父札所も坂東、西国同様、三十三ヶ所であったものを、のちに一寺加えて三十四ヶ寺とし、そのことによって百観音が成立しました。
秩父霊場の特徴は、札所全体が秩父盆地の中に収まっているという、地域的特性にあるといえます。盆地内にすべて収まっているということが、盆地全体を観音有縁の地とする霊場観を育てたとも言えるのではないでしょうか。
一番四萬部寺から三十四番水潜寺まであるときは、谷をわたり、山道を巡り、野面を横切っての、一巡約100kmほどの秩父路は、静寂な山村風景や、美しい自然の風光と共に巡る人のこころに安らぎを与えることでしょう。
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山 号 寺 名 |
御本尊 |
宗 派 |
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第一番札所 |
誦経山 四萬部寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第二番札所 |
大棚山 真福寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第三番札所 |
岩本山 常泉寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第四番札所 |
高谷山 金昌寺 |
十一面観音 |
曹洞宗 |
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第五番札所 |
小川山 長興寺(語歌堂) |
准胝観世音菩薩 |
臨済宗南禅寺派 |
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第六番札所 |
向陽山 ト雲寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第七番札所 |
青苔山 法長寺 |
十一面観音 |
曹洞宗 |
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第八番札所 |
清泰山 西善寺 |
十一面観音 |
臨済宗南禅寺派 |
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第九番札所 |
明星山 明智寺 |
如意輪観世音菩薩 |
臨済宗南禅寺派 |
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第十番札所 |
万松山 大慈寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第十一番札所 |
南石山 常楽寺 |
十一面観世音 |
曹洞宗 |
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第十二番札所 |
仏道山 野坂寺 |
聖観世音菩薩 |
臨済宗南禅寺派 |
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第十三番札所 |
旗下山 慈眼寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第十四番札所 |
長岳山 今宮坊 |
聖観世音菩薩 |
臨済宗南禅寺派 |
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第十五番札所 |
母巣山 少林寺 |
十一面観世音菩薩 |
臨済宗建長寺派 |
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第十六番札所 |
無量山 西光寺 |
千手観音 |
真言宗豊山派 |
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第十七番札所 |
実正山 定林寺 |
十一面観世音 |
曹洞宗 |
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第十八番札所 |
白道山 神門寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第十九番札所 |
飛渕山 龍石寺 |
千手観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第二十番札所 |
法王山 岩之上堂 |
聖観世音菩薩 |
臨済宗南禅寺派 |
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第二十一番札所 |
要光山 観音寺 |
聖観世音菩薩 |
真言宗豊山派 |
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第二十二番札所 |
華台山 童子堂 |
聖観世音菩薩 |
真言宗豊山派 |
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第二十三番札所 |
松風山 音楽寺 |
聖観世音菩薩 |
臨済宗南禅寺派 |
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第二十四番札所 |
光智山 法泉寺 |
聖観世音菩薩 |
臨済宗南禅寺派 |
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第二十五番札所 |
岩谷山 久昌寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第二十六番札所 |
萬松山 円融寺 |
聖観世音菩薩 |
臨済宗建長寺派 |
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第二十七番札所 |
龍河山 大渕寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第二十八番札所 |
石龍山 橋立堂 |
馬頭観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第二十九番札所 |
笹戸山 長泉院 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第三十番札所 |
瑞竜山 法雲寺 |
如意輪観世音菩薩 |
臨済宗建長寺派 |
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第三十一番札所 |
鷲窟山 観音院 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第三十二番札所 |
般若山 法性寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第三十三番札所 |
延命山 菊水寺 |
聖観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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第三十四番札所 |
日沢山 水潜寺 |
千手観世音菩薩 |
曹洞宗 |
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